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「やはり、お前か。」
「申し訳ありませんでした、ルドルフ様。加減を間違えてしまい、甚大な被害を。それで、そちらの岩に産まれたての小鹿のように震えてながら隠れている方は?」
「ああ、そいつは。」
「ああ。なるほど流石です、ルドルフ様。通りすがりの村人を助けたのですね。流石人ができていらっしゃる。」
「い、いや。こいつは、俺たちの仕事仲間だ。そして丁度、お前の同期に当たる人だ。」
すると、エレナと呼ばれた少女はあからさまに嫌な表情をし、「このような弱い者が、ですか?」と言った。
僕は、岩から体を出し、反抗する。
「僕だってなりたくてなったわけじゃないんだ!弱いとか言うなよ!」
すると、エレナは彼女の杖を地面に突き刺す。瞬間、轟音と共に地面が割れる。
「は?もう一回言ってみなさいよ。なりたくなかったのになった?ヘタレのクセにあまり調子に乗らないほうがいいわよ。あなたがどんな経歴でこの仕事になったかは知らないけど、私はあなたとは違って努力してここに入ったの。甘ったれた根性で臨んでんじゃないわよ!」
「まあまあ、エレナ。落ち着いて、こいつは戦う要員じゃないんだ。」
「そうですか。」
そう言ってエレナは杖を下し、僕の方に向かってこう言い放つ。
「これ以上ふざけた態度取ったら、ただじゃおかないわよ。いいわね?」
僕はシュンとして下を向くと、その少女は「返事は?」と言ってまた杖を地面に突き刺す。
「え?」
「返事は「はい」以外に認めない!返事は?」
「はい……」
「声が小さい!」
「はい!」
そうしてルドルフさんに、「こんなヘタレここに置いておいて、仕事に戻りましょう。」と言い放ち、怒ったように歩き始めた。
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