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003.
茜音は無事手のかかる新人を魔法屋に送り出すことに成功し、肩をなでおろしていた。
「茜音さん。なんであいつに仕事をやらせるなんて酔狂なことをしたんですか?」
「酔狂って……あなたも結構失礼ね。まあ、仕事というより修行に近いのかな。彼にはちょっと刺激があったほうがいいかな、ってね。」
そう言っていたずらな笑みを浮かべる。
「やっぱり、後輩の面倒を見るのは疲れるわねぇ~。抵抗するし、言い訳して逃げようとするし……ま、魔法屋の婆さんなら、どうにか面倒を見てくれるでしょ。」
そう言って背伸びをする。そして一言、
「初仕事、頑張るのよ。」
と言った。
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