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002.
「え?この部屋って?さっきの部屋は?」
僕が言うと、お婆さんはケタケタと笑い始めた。
「驚いたかの?この部屋は私の研究部屋兼、モブの本拠地よ。」
老婆が言うには、ここの部屋はモブ、即ち僕たちの組織の持つ本拠地であるというのである。
「まあ、そこに座りなされ。」
そう言って、老婆は椅子に座るよう即す。
お婆さん机を二度叩くと、紅茶の入ったティーカップが二人の前に置かれた。
「お前さんにはこの場所の役目くらい説明したほうが良いかの。まあ、その紅茶でも楽しみなされ。」
そう言って老婆は僕に紅茶を勧める。
そして老婆は静かにこの場所の役割について話し始めた。
「お前さんは、お前さんたち、即ちモブはその存在自体が極秘だということは知っているかな?」
僕は「はい。」と答える。
「その仕事内容は多岐に渡る。例えば、簡単な任務では交渉から、難しい任務ともなると暗殺や救出にまで及ぶ。まあそれは、全て裏の仕事じゃがな。」
そう言って、老婆は紅茶の香りを楽しむように、ティーカップを少し揺らす。
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