昔のクラスメート

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 その日の夜、自宅のソファに寝転びながら、私は考えた。    山口アキの抱える問題は相当なものだった。私にしていたいじめがかすむくらいに。  私のカウンセリングルームに通ってくるひとたちで、いじめに悩む学生たちは少なくない。私は学生たちに言ってあげたかった。いじめなんて、ひとときの嵐にすぎない。もちろん無理する必要なんてない。学校なんか休んだって全然かまわない。  とにかく生きのびること。  生きのびれば、わかること、色々ある。  時計の針は午後11時をさしていた。  「そろそろ寝るか・・・」  私は立ち上がり、キッチンへいき、マグカップにミルクをそそいだ。レンジでチンすると、温かいホットミルクの完成だ。  私はその場でホットミルクを飲み干すと、マグカップをさっと洗った。  温かいミルクが身体を暖めてゆくのを感じながら、私は寝室へ向かった。
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