#15 垣間見えた古代

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「…スキルコマンド、オリジンライズ」 ヘイレンがこう唱えると新太の腰の剣と二本の錆剣が共鳴し、光を放った。その光は赤、青、緑の三色だった。 三本の剣の錆はパキパキと音をたてながら割れながら取れていった。その様子はまるで蛹が羽化するかのような雰囲気だった。 馬宙達はただその様子を見て呆然てしているだけだった。というかあまりにも綺麗すぎて言葉が紡げなかった。 やがて三本の剣は三色の馬の形をしたオーラを放った後、その真の姿を現した。 「陽輝は赤き魔導馬アレイオーンの御、馬宙は青き天馬ペガサスの翼、そして新太、オマエは萌木の霊馬ユニコーンの角が象られた剣じゃな。」 「これが僕の剣…どこまでも伸びていきそうな炎が出そうだね。」 「オレのは全ての悪を押し流す水の剣か。」 「万の雷を引き連れた剣か…何かカッコいい!」 「…妾は一刻も早く、偽りの神を見つけるつもりじゃ。お主らも、自分が信じた正義で悪を討つんじゃぞ、いいな。」 「「「…はい!」」」 ―その後― 「囚人服に結晶騎士の鎧では街を歩くには不恰好じゃろ?妾の部屋にある装備で良ければ特別に貸そう。まぁ、お世辞にも装備にくくりづらいがな。」 ヘイレンは三人のために赤、青、緑のコートを持ってきた。 三人は近くの小部屋でそのコートやコートと共にもらった服に着替えた。 「わざわざ服まで用意していただき、ありがとうございました、ヘイレンさん。」 「なぁに、このくらい当然じゃ。馬宙と陽輝は妾が目をかけていたからのぅ。それはそうと、新太よ。」 「はい!」 「結晶騎士であることを捨てただの剣士になったこと、悔いてないのだな。」 「オレはカシマール様を助けたい…団長が何を考えてオレたちを集めたのか知りたいんです。」 「…そうか、では行くがよい。いつまでもここにいてはいけない。」 「行くにしてもどこに行けばいいんだ?」 ヘイレンはスフィアマップ(地球儀的な奴)を展開して、小さな村を指差してこう言った。 「この街の東に位置する小さな村…そこには精霊やら妖精やらが静かに暮らしておる。そこにいる長老を訪ねるのじゃ。妾より彼の方が博識じゃろう。」 「分かりました!」 ~予告~ 東の村・ピスティ。そこに暮らす精霊や妖精達はなぜかオレたちに剣を向けた。その真実が明かされるとき、オレたちの戦いの幕が上がる。 次回〈争いの種〉
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