#21 自由をかけて

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―王城・裏庭― 『サイズもよし、声も出せるようだし…我ながら凄いものを作ったよ、クリスタラス。』 七色に光る鉄の騎士・クリスタラスはアリゼロスの手で一般の青年くらいの背丈に縮小されていた。 とはいえ、内に秘めた力は絶大なのは事実で、犠牲となった10人の結晶騎士の力を余すことなく使える他、剣技は全てアリゼロス流だった。 ―一方、馬宙達は― 馬宙達は数日かけて王都へ続く橋のところまで来た。後は城内に入るために王城の警備兵を引き付けるのと城内にいるであろうアリゼロスとの決戦のみだ。 しかし、警備兵は城の前ではなく、王都の外に多数いた。そうこれも全部アリゼロスの想定内のこと。 しかし、どのみち突破しないことに何も始まらないので早速戦闘に突入した。 「…馬宙さん、陽輝さん!オレたちに構わず先に城内に向かってください!オレはこのザコ蹴散らしてすぐ向かいます!」 「新太…分かったぜ、絶対来いよ!」 「来るときは気を付けてね!」 「…はい!」 馬宙と陽輝は新太の言葉を信じ、一気に城内を目指した。 (…アリーゼ、アンタなんだろ。この王都で好き勝手してる騎士ってのは。) (今度こそ、正体を突き止めてやる!)「いいか皆、馬宙さんも陽輝さんも先に行ったから…ここから先はオレたちだけで持ちこたえようぜ!」 「おおおっ!」 こうして新太率いるピスティ・ ホリット連合軍とスターティア警備兵による大乱戦が幕を開けた。 そしてそれと同じタイミングで馬宙と陽輝は一気に街を駆け抜け、王城の前まで来た。 しかし、城の前で二人を待っていたのはエネルギーを吸い尽くされて死んだはずの結晶騎士の一人・ヴァクアだった。 『…クリスタラス様のために消えてもらうぞ、人間!』 「…ダメだ、完全に心がない。アイツはただの騎士だ。だけど、あの構えからして、相当な手練れだ。」 「一気に突破するよ、馬宙!」 「当たり前だぞ、陽輝!」 馬宙達二人も交戦を開始した。
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