#21 自由をかけて

4/5
前へ
/60ページ
次へ
『惜しいなぁ…ここでお前らを足止めするのがオレの仕事よ。あ、オレはファウル。結晶騎士No.3の実力者でーす!』 全身に真珠がついた鎧に身を包んだ騎士・ファウルはアリゼロスがクリスタラスを完成させる際に行った儀式で一度死ぬも、アリゼロスにより最後の切り札として復活させられていたのだ。 「…アリゼロス、やっぱりただで通してはくれないか。よし、やるぞ陽輝!」 「うん!」 『楽しませてくれよ、ガキ共!』 ファウルは腕の鎧と一体になっていた剣を取り出し、構えた。ファウルは二刀流の名人としても名を連ねていたため、二人にとっては相性最悪の強敵になった。 「蒼天流剣技・天空斬馬(スカイブルペガサス)!」 「火村流剣技・炎馬斬輪(クリムゾンサークル)!」 馬宙は青い斬撃破を、陽輝は赤い円盤状の斬撃破をファウルを目掛けて飛ばし ファウルは先程より一回り大きい光輪を生成して馬宙達目掛けて飛ばした。 相殺されるかと思いきや、どっちの攻撃も命中した。 「なんて強さだ…これじゃあラチがあかないよ!」 「…確かに、相手はマジの手練れだ…油断はできないぜ。」 『つまんねえなぁ、お前ら。つまんねぇくせに技はいっちょ前だもんな。さっさと片付けてやんよ!』 ファウルは再び二本の剣を構え、二人を攻撃し出した。その流れるような連続技は馬宙にとっても陽輝にとっても追いきれないほどの早技だった。 『オラオラオラオラオラオラァ!アリゼロスを討ちたいって奴等がそんな弱くていいわけねぇだろぉ…がぁ!』 ファウルは連続攻撃のフィニッシュで二人を空中へ放り投げ、すぐさま水流レーザー的な攻撃で壁に叩きつけた。 二人とも壁にめり込むほどの大ダメージを受けたこともあって、その場に倒れ込んでしまった。 『…お前らは弱すぎるし、オレは強すぎるし…つまんねえなぁ、ホント。』 「バカに…してんじゃ…ねぇぞ!」 馬宙は激しい叫び声と共に右目にαの文字を出現させた。そう…馬宙の特殊な力で“相手の動きを完全に読みきる”ことができる。 『…光る目がなんだぁぁ!』 「散々弱いってバカにしやがって…そんなの当たり前だろ!オレは人間でアンタは結晶騎士!雲泥の差ができるのは必然さ…だけど、この目の力がある限り、オレはどんな奴にも負けねぇんだよ!」
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加