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陽輝の目の前では目にも止まらぬ早さで戦闘が行われた。
この時陽輝は初めて自分達が持った能力の凄まじさに気づいた。
『そうだ、もっと来いよぉ!オレを楽しませろぉ!じゃないとぉ…蘇った意味がねぇんだよぉ!』
ギャリリンという抉れるような音が何度も鳴り、その度に二人の剣の早さが増していった。
「うぉぉぉぉぉっ、オレは…オレ達は!何があったとしても絶対に…アリゼロスを…討つんだぁぁぁぁぁ!」
『黙れガキィィィィ!』
「そこを退いてもらうよ、ファウル!」
陽輝も加勢し、一気に形勢が逆転し始めた。
『ハハハハハハ!燃えるぜ…超燃えるぜ…最高に燃えてるなぁ、お前らぁ!お陰で楽しくなってきやがったじゃねぇかよぉ!』
ガギィィィン…
しかし、馬宙と陽輝でファウルを倒すにはこれを持続させるしかなかった。馬宙と陽輝はこの力を発動させれても長続きはしない。そのため、ファウルに押しきられるのも時間の問題だった。
しばらくして二人は結局、効果が切れ、再び押し返されてしまった。
『…ふぅ、そろそろ仕留めてやるか。』
「誰がその子達に止めを指していいと言った?誰一人としてそんなこと言ってないだろ?」
なんと、再びアザゼルがその姿を現した。
『アザゼル、テメェ…何様のつもりだぁ!』
「私はただ、この子達に賭けてみたくなったんですよ…世界の行く末を。」
『…堕天させられるかもしれないの分かってんのか?』
「堕天…そんなことを気にしていては天使と言えど何もできないだろう!何かをするにはリスクが伴うのは当然だろ?」
『…神をも敵に回せる余裕、すぐにでも無くしてやらぁ!』
ファウルがアザゼルに斬りかかったが、アザゼルはそれを華麗に受け流して、すぐさま槍で突いた。
「哀れな…私がスピアマスターであることも知らぬくせに無闇に突っ込むのがいけませんよ。」
アザゼルはそこから三連続突きでファウルを圧倒した。
『…お前、結晶騎士を全滅させたいのか?』
「それ以外にやれることがないのでね!」
『…死ぬのはテメェだぜ、うざったい喋り方しか出来ない天使さんよぉ!』
「どうかな?」
キィィィーン……………
『…なっ、バカな…No.3のこのオレが、敗れ…ぐわぁぁぁぁぁぁ!』
~予告~
ついに最上階にたどり着いたオレと陽輝。そこで待ち受けていたのは…
次回〈絶望の翼〉
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