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―王城・最上階、舞踏広場―
ダンスパーティーができそうなくらい広いこの場所…ここのどこかにオレ達の宿敵・アリゼロスがいるはずだ。
アリゼロスとアリーゼが同一人物と知った今、オレ達にかけられた十字架も少しは軽くなるはずだ!
馬宙と陽輝は舞踏広場のドアを開け、中へと入った。中に入ったすぐ後、ドアは閉まって鍵がかけられた。
『やはり、キミらはここに来てくれるんだね…てっきり、村で迎撃してくれるんじゃないって思ったけど、違うんだね。』
白いローブに身を包んだ青年…彼こそが二人の…平和を望む者達全ての敵・アリゼロスだった。
「アンタ、アリーゼって奴を知ってるか?」
『あぁ、知ってるとも。だって、それ…ボクだもん。アハハハッ!』
「「!?…」」
『キミらのことも当然覚えてるよ。修剣学院で見事に殺してくれちゃってさぁ!まぁ、ボクは神そのものになるから関係ないか。』
「アンタは神にはなれない!こんだけの悪事を働いといてよくそんなことが言えるな!」
馬宙は今までの怒りをぶつけた。先に逝ったディアンやアリゼロスに絆されて壊滅してしまった村の人達の無念をも踏みにじろうとする諸悪の根元に。
『いいや、なれるさ。ボクはキミらの右目に何が封印されているのか、そして何故瑠菜をあえて野放しにしたのか…結晶騎士達を捨ててまで何を得たのかぁ…その答えをキミらに見せてやろう!参れ、ボクの物語の主役・クリスタラス!』
アリゼロスの声に合わせて巨大な鳥のような機械がその姿を現した。全身至るところが剣でできているその機械鳥は地に降り立つと耳を劈くほどの鳴き声をあげた。
「クリスタラスって…新太とかディアンが言ってたとんでもない奴のことか?」
「うん…でもまさか、こんなに大きいなんて思いもしなかったよ。」
「でも、オレ達の敵はあくまでアリゼロスだ!あんな奴に負けるわけにはいかないぜ、陽輝!」
「あぁ、僕達の剣で、アイツを討とう!」
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