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「ぐぉぉぉぉぉぉ…アリゼロスーーー!」
そのまま新太は緑色のオーラに包まれ、アリゼロスの繰り出す剣技に死物狂いで食らいついた。
バチバチと火花が飛び散り、互いに一歩も引かない状態になった。
『小賢しい奴がぁぁ!』
アリゼロスはファウルの技〈クラックサークル〉を繰り出した。しかし、新太はそれを剣に乗せ、自分の斬撃と合わせてアリゼロスにダメージを与えた。
「今のオレには瑠菜様、ディアン様…ピスティ・ホリットの人達が作ってくれた追い風があるんだ…追い風が止まない限り、オレはどんな奴にも屈しねぇぇぇぇ!」
新太の怒りの一閃が、アリゼロスの左手に当たり、そのまま左手を鎧ごと斬り飛ばした。
『ぁぁぁぁあ!なんてことをしてくれるんだ貴様ァ!』
アリゼロスは左手からの激痛と出血に驚きながら狂気混じりの叫び声をあげた。
「さっさとそんな鎧、壊れちまえよぉぉぉぉ!」
新太の猛攻は止むことを知らず、アリゼロスをどんどん追い詰めていった。
「…凄い、新太くんにあれほどの力が眠ってたなんて。」
「…オレ達と同じで、誰かを想う心がアイツのエンジンになったんだよ。しっかし、あれだけのスピードを長時間使えるのは…アイツぐらいだろうな。」
馬宙は新太の底力に驚きながらも、どこか嬉しさを滲ませた。
『許さんぞ、エメラスゥゥゥ!ヌォォォォォ……!』
アリゼロスはなんと、その姿を六個の頭を持つ翼の生えた狼に変えた。
「…姿を変えたとしてもオレはアンタを倒すことに変わりはないんだ…このままいくぞ!」
『ガウァァァァァァ…』『ガウルルルルルル』
『ガウァァァァァァ!』『グォォォォォ…』
『ゴルァァァァァァァァァ』『グァァァァァ』
六個の狼達は頭の角で新太を串刺しにして空高く突き上げた。
新太は馬宙達の目の前に「べちゃっ」と音を鳴らして落ちてきた。しかし新太はすぐに立ち上がった。
「まだ…………ここで………死んで……たまるか。」
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