#24 終止符

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そして、アリゼロスはかつてアリーゼだった頃の構え…〈ヴェルザンダ〉の構えをとった。 彼はそのまま目にも止まらぬ速さで剣を振り、馬宙の左手を斬り飛ばした。 馬宙は体験したこともない苦痛に襲われた。出血の量の多さ、完全に左手の感覚が無くなったことの恐怖が彼を襲った。 それでも馬宙は折れずに立ち上がった。ここで立ち止まったら新太達が開けてくれたチャンスを壊してしまうからだ。 「オレにはこの剣がある!コイツがある限り…オレの仲間が支えてくれる限り…オレは立ち止まらねぇ!どんなことも乗り越えてやる!まずはアリゼロス、お前を倒す!」 馬宙も自己流の構えをとった後、アリゼロスと剣同士のぶつかり合いに突入した。 途中、馬宙の身体中が何度も斬りつけられたが、彼はその痛みをも力に変えてアリゼロスを斬り続けた。 その結果、アリゼロスも少しずつ身体中が傷ついていった。 『…キミのような強い剣士は何故ボクに従おうとしないんだ!従いたくない何かがあるというのか?』 「力で人を押さえ込もうとするからお前は従えれないんだよ!力っていうのは使えればいいものじゃないんだぞ!」 馬宙はとうとうアリゼロスの左胸部を切り裂くことに成功し、大ダメージを与えた。 『…馬鹿な!?このボクが負けるというのか?』 「…あぁ、オレがもしお前の言う物語を書くとしたら…“誰も攻撃を当てられない最強の剣士が、力に貪欲な騎士を倒す”って書くぜ!」 馬宙の右目が青く発光し、αの文字が浮かび上がった。そう、彼の能力が解放されると起きる現象だ。 そして彼はそのままアリゼロスにこれでもかというほどの連続攻撃を仕掛けた。 『…片手剣のキミが何故二刀流のソウルスキルを使えるんだ!』 「……コイツに勝ちたいって気持ちと、かけがえのない仲間達からの思いがオレの中の力を解放したんだよ!」 『…ぐっ、何がどうなっているというんだ!何故ボクの体が動かないんだぁぁぁ!この…反逆者がぁぁぁぁ!』
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