物件紹介

6/8
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
   キッチンはシステムキッチン。調理場にはつまみ食いされた食材と料理途中のあとがある。台の上にはまな板と、包丁が何本も出たままになっている。が、その種類はなんともバリエーション豊かだ。一般的な包丁に柳葉包丁、中華包丁、肉切り包丁、果物ナイフ、ペティナイフ、パン用包丁など家庭にしては多すぎなくらいである。料理好きのこだわりは強いと聞くが目の当たりにすると感心してしまう。ただ不思議なのは、調理場に出ている包丁はどれも、まな板の上に置かれた塊肉を切った後、しっかりと洗っていないようだ。家主はよほど慌てていたのか、きちっと洗わずにそのままなのは包丁の刃にもよくないはずだが。  コンロにはまだ火かついており、その上にはスープが煮込まれている。中身は豚骨かなにかのようだ。なかなかの臭いが立ち込めている。某有名豚骨ラーメン店の厨房と大差ないほどだ。その後ろでは食器棚が並ぶ中、冷蔵庫が空きっぱなしになっている。というより、中身が邪魔で扉が閉まらない様子。電気代がもったいない。つっかえているのはこれまた骨付き肉。ハムやソーセージもある。奥にはパイも数枚入っていた。数日以内にバーベキューでもするのか。だが下の野菜室はほぼ空になっていた。一番下の冷凍庫はというと、ここは予想通り、肉類がたくさん保存されている。ちょっとした市場の様相だ。ここの住人は人間離れの肉食系かつ大食いのようである。まあ、そもそもすべてを食べるつもりはないのかもしれないが・・・。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!