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数日後、本部から200人ちかい応援が駆けつけた。
「これか。聞いていた以上じゃないか」
集まったのは力仕事を生業とする、いわゆる人夫だ。
探索班が見つけた収獲を、道具に頼らず拠点に運び込む役目は彼らだけに与えられた特権のようなものだった。
「こりゃ運び甲斐があるぜ」
獲物が大きければ大きいほど、彼らの士気は上がる。
その働きぶりが一族の暮らしを支えているという自負があるからだ。
早速、作業が開始された。
人夫たちはリーダーの指揮の下、手際よく宝石を運び出した。
両手でようやく持ち上げられるほどの大きさだが、見た目に反して軽い。
ただ量がきわめて多く、200人が総出で作業にあたっても山は元の大きさからほとんど変わっていない。
「休んでいる暇はないぞ! もっとペースを上げろ!」
作業は数時間に及んだ。
人夫たちは拠点と現場をひたすら往復する。
宝石の量からしてさらに数百名の応援が必要だ。
だがそれを求める先はなかった。
先月の豪雨で都市部が大きな打撃を受け、多くの人夫が落命してしまった。
復興は進むも、災害による人口の減少は著しく、彼ら一族が本来の勢いを取り戻すにはまだまだ時間が必要だった。
そんな中で見つけたこの宝石は、まさしく宝の山だった。
これがあれば国は大いに潤う。
空腹は満たされ、もって人口の増加につながることだろう。
次々に運び出される宝石を見送りながら、隊長は天に感謝した。
勤勉な者はいつか必ず報われる。
この宝石の山は、きっと自分たちの頑張りを認めてくれた天の施しだと。
彼は思った。
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