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「石川かすみです。事務員です」
かすみの自己紹介に、直弥は優しく微笑んできた。
「こんな事務員さんがいたら、会社に行くのが楽しみになりそうですね」
お世辞に赤くなった。でも、彼に言われると素直に嬉しかった。
「コーヒーを飲んだ後、三階まで送りますよ。石川さんは何時に出勤されるんですか」
不思議だったけれど、かすみは素直に出勤時間を教えた。
「そうですか……もし、時間が合ったら一緒に出勤しましょう。今の男性がいたら大変だから」
優しい言葉に、かすみの声は弾んだ。
「いいんですか?」
「ええ、ぜひ」
直弥の言葉に、甘えたい気持ちになったかすみは頷いていた。
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