第二章 雨の夜の告白

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 突き放した言葉に康司は不満そうだった。交際している時、かすみが彼に向けたのは、いつも優しい言葉だけ。  仕事で疲れている相手を嫌な気持ちにさせたくない。そう思っていた。でも、恋人でない相手に気づかいをする必要を感じない。それだけなのに、康司は嫌そうに顔をしかめた。  「とにかく、もう一回だけ話してくれよ。なぁ」  嫌だったけれど、何度も来られると本当に迷惑だ。かすみは渋々頷いて、駅の近くにある、よく行ったカフェへ入った。
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