第二章 雨の夜の告白

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 可哀想なのは、そんな男性と知らないで付き合った自分……かすみは、自分を情けなく感じていた。  「私に少しでも悪いと思うなら、もう付きまとわないよね。本当に悪いと思ってるなら」  何を言っても通じないかすみに、康司はもう一度、苛立(いらだ)った表情になった。きっと、復縁を言えば喜んで応じると思っていたのだろう。自分が何をしたか、きちんと反省もしないで……  「もう会わない。私、絶対復縁するつもりないから」  直弥の面影がかすみの心で揺れた。会いたかった。  かすみの気持ちが全然ないと悟ったのだろう。康司は吐き捨てるように言ってきた。  「分かったよ。  これからもよろしくな。石川(いしかわ)さん」  嫌味な口調で言い放つ相手に、かすみは笑顔で頷いた。  「本当ですね。竹中(たけなか)さん」  自分の嫌味が通じない。同じように名字で呼ばれた康司は渋い表情になった。  かすみはコーヒー代をテーブルに置いて店を出た。これで、やっと自由になれたと分かった。
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