第二章 雨の夜の告白

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 雨の音が聞こえてくる。さっき少し窓を開いていた。そこから、降り注ぐ雨の音が、静まり返った寝室に流れてくる。  夜目が()いて、やっと周りが分かるくらいの暗闇の中に、白い肌が浮かんで見えた。  かすみの肌に触れる直弥の身体は冷たくて、彼女は不安になった。でも、直弥は気にしないようにかすみに触れた。冷たい指や唇がかすみの肌を()う。(あえ)ぐ息が静寂を際立たせた。  「いたっ!」  その瞬間、直弥の身体が遠ざかった。  「直弥さん……」  「ごめん。かすみを感じたくて、思わず……」  言いながら、直弥はかすみの右の乳房に触れた。かすみが見ると、噛んだ後が赤く楕円を描くように残っていた。  かすみは、赤くなった肌に自分の指を当てた。  「直弥さんの想いね。残らないかな……」
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