第二章 雨の夜の告白

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 彼は首を振って、かすみの指に自分の指を重ねた。  「消えてほしいよ。こんなひどい……」  「いいの、本当に」  かすみは、自分から唇を重ねた。  そのまま身体も重なった。身体は冷えているのに、押し入ってきた彼はとても熱かった。  かすみは何度も直弥の名前を呼んだ。雨の音が二人を包んでいた。  二人の体温が同じになる頃、かすみと直弥は肌を触れ合わせたまま、眠りに()いていた。
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