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「かすみがその人とどうしても離れたくないなら、お母さんたちが何を言っても聞かないでしょ?
お父さんの言ったこと守れるなら、お母さんも認めるわ。
好きって、どうしようもないものね……」
溜息交じりの声に、かすみは申し訳なかったけれど、それでも、直弥と離れる選択はできそうになかった。不可能だと分かっていても、かすみは約束した。
「約束する。見てるのが辛くなったら、きちんと別れるから」
弟夫婦が、今まで見たことのない姉の強い雰囲気に驚いているのが分かった。
「姉さん。俺たち何もできないけど、話、聞くくらいならいくらでもできるからさ。遠慮しないで連絡くれよ」
横の義妹も同意するように頷いている。
弟たちの優しさに、かすみは泣きそうになったけれど我慢して笑みを返した。
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