3250人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に子供が出来ててほしい。そうなったら、直弥さん、私と一緒にいるの悩まないし治療だってもっと進むようになる。
それに、私、彼の子供が欲しい」
かすみの言葉を聞いて、花野は表情を改めてから返してきた。
「分かった。もう言わないよ。
かすみが本当に、その人の子供が欲しいなら何も言うことない。
もしかして、妊娠を利用したいのかなって、ちょっと思ったの。相手が知ったら治療頑張るかなって感じで。
でも、かすみが本当に欲しいなら、それでいいよ。出来てるといいね」
「うん、本当にそう思う……」
かすみはグラスの中のミネラルウォーターを飲んだ。妊娠に備えて、かすみはアルコールをやめていた。そこまで願っていた。
最初のコメントを投稿しよう!