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リビングには静かな音楽が流れている。かすみは、それほど音楽は聴かない。聴いても流行している歌ばかりだ。
でも、直弥はクラシック曲を好む。リビングには、いつもピアノやヴァイオリンの曲が聴こえてくる。かすみも好きになった。流れる音楽は雨のように静かだった。
「同期で課長って、すごい女性なんじゃない?」
直弥の感心した声に、かすみは、自分が褒められたような笑顔になった。
「そうなの。同期でも一番なんだ。美人で背が高くてモデルみたいだし、欠点あるのかなって感じ。
あ、完璧なのが欠点かな。結婚相手が見つからないって愚痴ってる」
聞いた直弥だけでなくて、言ったかすみも一緒に笑った。
「確かに、パーフェクトな女性は男にはちょっとハードルが高いかな。でも、かすみは気にしないで仲いいんでしょ?」
「うん、さっぱりしてて付き合いやすいよ。もう少ししたら帰ってくるから楽しみ」
「そっか。そのうち会えたらいいね」
「え……」
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