僕たちのお返し

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僕たちのお返し

 二人の少女は、学校の帰り道にある神社に来ていた。 (おねがいです。大好きなだいちゃんと両思いになれますように!) (大好きなたっくんが私の事を好きになってくれますように、お願いします) --  4人の少年と少女は、学校の帰り道にある神社に寄った。  学校の宿題をするためだ。 「ねぇ本当に”ここ”なの?」 「宿題には丁度いいだろう?」  反対する女子に、男子が肯定させるための意見を話している。 「そうだけど、ちょっと怖いよね」  もうひとりの女子も怖がっている。 「大丈夫だよ。俺、この前の祭りでも来たけど何もなかったぞ」  男子が怖がる女子二人に向けて言葉をかける。  男子たちは、この薄暗い神社で遊んだ事もある。  出された宿題の写生に向いた場所である事も知っている。 ”町と海と空”  先生から出された写生のテーマだ。神社は小高い山の中腹にあり。神社から見える景色は、小さな港町。  宿題を終え神社から帰る4人。  夕日に染まる景色を見ながら長い急な階段を降りている。男子が先を歩いて、女子が続いている。 (キュォーン) 「あっ!」  女子の1人が急に声を上げる。  男子二人が振り向いた。     
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