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ある朝
早く起きてしまった日曜日の午前中、他にする事もないのでセックスをした。
「いつ起きてるくるの?」
「もう少し」
彼はこちらを見る事もなく、うっすらとした声だけで答える。その様子に先ほどの情熱は微塵も感じられない。どうしていつも私はこの人に抱かれてしまうのだろうと思いながら、床に落ちた下着を拾い身につける。
日の当たらないキッチンにでると肌寒く、リビングのロッキンチェアーに掛けてあったガウンを羽織り、体を温めるためにコーヒーを入れようとドイツ製の電子ケトルに水を入れてスイッチを下げる。
電子ケトルの注ぎ口はコーヒーをドリップするために細口のステンレスになっている。ボディは白色プラスチックの細身なデザインで気に入っているのだが、いつになってもプラスチックの匂いが取れない。そのせいで、紅茶を淹れるときだけは、わざわざホーローのヤカンを出さなければいけない。すべてステンレス製のものに買い換えようかと思って探してはいるものの、半年以上良いものが見つかっていない。
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