となりの魔法大戦

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 それが今は、東家の居候になっている。ルーナちゃんたちの部屋ではない。東家の母屋だ。まあ、テレポーテーションの達人なのだから、どこにいても、同じようなものなのだが。実際、彼はハーレムの悪童たちを率いて”リンクス・ギャング”を作り、”悪魔小僧”の名をほしいままにしていたのだった。もっとも、ルーナちゃんたちと行動を共にすることになって、すっかりそのヤクザな稼業を卒業し、”幻魔大魔王”と戦うことにしたのだが。その天才ぶりは、東丈、GENKENの面々も舌を巻くほど。  丈の姉の三千子と一緒に風呂に入るのが大のお気に入り。丈の弟の柔道の達人の卓とも瞬く間に仲良しになった。三日とおかず、サンボは東家の一員になっていたのだった。  ベガもことあるごとに東家にやってくるのだが、基本的にルーナちゃん、ジュディの義父格のソロモン博士の実家兼研究所に居るのだった。  さてさて、なぜこんなことになるのかというと、東家には実は驚くべき秘密があるからだ。それは、とりもなおさず、東家のある吉祥寺の秘密、そして吉祥寺のある東京の秘密だった。  どういう仕組みになっているかわからないが、とにかく丈の家の納屋、東京の地下深くに、その昔地球に故障して漂着した大連盟の宇宙戦艦アルゴーが眠っているのだ。そして、その制御コンピュータ”フレイア”が、丈たちにテレパシーで語りかけるのだった。  今では、ソロモン博士の邸宅の地下までそのアルゴーの船体は広がっていて、地下エレベータで中に入ることが出来るのだった。そのおかげで、ベガはソロモン邸でソロモン博士の手伝いをしているのだった。さらに、ソロモン博士の”顔”で自衛隊もそれに協力しているのである。もっとも、このアルゴーを修理して動けるようにすることは考えられていない。そんなことをすれば、その上の東京の町が全滅してしまうからだ。  かなり”退化”した形にはなるが、今の地球の科学技術で、なんとかこの宇宙戦艦の技術を再現しようとしているのだ。  といっても、今の地球の技術では、それにいったい何年かかるかは、想像もつかない。それほど、大連盟の技術は進歩しているのだ。
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