ゼリービーンズ

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ゼリービーンズ

 ゼリービーンズには気になっていることがある。 碧海島は何と読むのだろうか?  ゼリービーンズは老眼でルビが見えなかった。   眼鏡を掛けた。 「あおみじま」   ふー、目が悪いってのは嫌だな?53にもなれば仕方ないか?  新聞を畳んだ。    2014年6月28日に母、野間ノブが死んだ。  ゼリービーンズは大阪で派遣会社を経営している。  母はめった切りにされ、遺体は激しく傷つけられており、首が皮一枚で繋がっているようなありさまだった。また、窓と網戸からは犯人のものと思われる指紋が検出されたそうだ。  世の中には老婆に性欲を感じる鬼畜もいるんだ?  派遣切りにあって恨んでる奴もいるかも知れない。2026年はノブの死から12年後なので13回忌が行われた。遠方から様々な人が来た。    あれから1年が立つのか?  手塚って刑事からの情報でノブを殺したのが『キャンディ』って組織の人間であることが明らかになった。  碧海島限定で終身刑が施行される。死刑には社会復帰の可能性はないが、現行刑法下における無期刑には社会復帰があるため、社会復帰のない無期懲役の導入すべきとの意見があった。  ゼリービーンズは妄想をしていた。  何百人殺しても死刑にはならない。  キャンディのクズともを碧海島に集めて殲滅出来ないだろうか?   ポッキーやキャラメル、メントスにラムネ。  生きてる価値あるのか?  2027年12月7日夜。伊豆でコンビニの店主夫婦、その息子である生後3か月の赤ん坊、そして店員の少年の計4人が惨殺された。  店主の妻は頭部を叩き潰され、店員の少年も頭部を滅多打ちにされた上に飛び散った脳が散乱しており、赤ん坊は顔面が叩き潰された上に、首が胴から切断しそうなほど切り裂かれているという残虐さであった。この家のベビーシッターが買物に出かけている間の約20分間での犯行であった。現場には凶器とみられる大きな鉈、槌などの工具類が残されており、店の裏には2組の足跡が残されていた。また、その日の夕方に2,3人の男が店外をうろついていたとの証言もあった。  同月の19日夜、そのコンビニの近所の酒場で、店主夫婦と使用人の少女の計3人が同様の手口で惨殺された。残虐さは前回同様であり、少女は頭蓋骨を激しく叩き砕かれた上、首が胴からほとんど切り離されていた。今回は、同居していた店主夫婦の14歳の孫娘はかろうじて被害を逃れた。
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