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ウィスキーボンボン
「このサイレンは何の音だ?」
ウィスキーボンボンは漁師に尋ねた。
碧海島は世界でも珍しい複式火山だ。
「天気が崩れるんじゃねぇか?」
漁師が言った。
イシダイが釣れるって話だが何にも釣れやしない。徒歩で島を散策することにした。
役場、集落、展望公園、神社、島の最高峰の大矛部にも行った。2時間あれば回れる。
民宿へと戻った。
サウナで密談することにした。
「どうだった?」と、パナップ。
「360度のパノラマが広がってた」
「ラムネはうまくやってくれるかな?」
パナップはアクビをした。
「さぁ、気味の悪い神社があった。江戸時代に名主の息子が11人を殺傷して入水自殺、祟神がさ迷ってるそうな?」
ボンボンはフーッと深呼吸した。
「出る?」
「幽霊なんか存在しない、あんなもの迷信」
「そうじゃなくて、サウナ」
「まだ、ニッキを何とか始末できないか?」
ウィスキーボンボンは暑いのには自信がある。
「あんなに可愛がってくれたのに?」
「マジで介護やるなんて話が違うじゃん?営業だけだって聞いてたのに?」
ボンボンの父は農家の生まれで、当時は農業・貿易業・家屋の塗装業を請け負っていた。
「金が必要になるな?」
ボンボンはうつ病を悪化させて貧困妄想を発症した。
ボンボンは自身の死を偽装して、保険会社から保険金を詐取する計画を立てた。ボンボンは弁護士の資格を持つニッキに指示を出した。ニッキはこの計画に興味を覚えた。
しかしながら、ボンボンが偽装死するという計画は、保険会社に疑われて支払を拒まれたため失敗する。ボンボンはこの件について訴訟は起こさず、代わりに同じ計画をニッキで行うことにした。
ニッキはボンボンの偽装死計画に賛同し、妻が保険金を受け取れるようにし、後にボンボン・パナップは一部を分割する計画を建てた。計画は碧海島でで実行され、発明家の「桧山博行」という偽名を用いたニッキが、実験室での爆発で死亡するという筋書きにされた。ボンボンには、爆発で損なわれたニッキの遺体として相応しい死体を調達する必要があったが、代わりにクロロホルムで失神させ、ベンゼンを用いてニッキもろとも焼いてしまった。
後悔先に立たず。
「悩んでもどうにもなりません」
ボンボンは煙を眺めていると、ヌガーが声をかけた。
カルデラから噴出してる地熱蒸気だ。
スマホが鳴り響いた。
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