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クーリッシュ
「小室のことをこれ以上嗅ぎ回るな」
クーリッシュはラムネを羽交い締めにした。
ラムネは大人しくスマホをクーリッシュに渡した。名前が登録されてない。
「誰に電話した?」
「誰だったかな?イギ、イッ、イ……」
苦しいのか?『息が出来ない』って言いたいらしい。
「何で登録してない?」
「面倒くさいから」
誰だか分かってしまうからだろ?
黒駒を出てしばらくしたところにある電話ボックスにクーリッシュたちはいた。
密談するには最適だ。
小室は私立探偵だ。クーリッシュはキャンディと敵対する組織の人間だ。
キャンディが出来てから出番が少なくなってしまった。
クーリッシュと小室の子どもたちは、伊豆半島を旅して碧海島に向かった。同時にクーリッシュは、複数の変名を使いつつ、小室が碧海島に隠れていると騙しながら、苺とミルクの行方を隠しつつ同じようなルートで小室夫人と旅をした。
小室は70代なのに性欲旺盛で28歳の夫人との間に苺とミルクの双子の女の子をもうけた。
クーリッシュは苺とミルクを大きなトランクに入れ、外から鍵を掛けてふたりを殺した。
彼はトランクの蓋に穴を空け、ホースを用いて穴とガスパイプを繋ぎ、少女たちを窒息させた。その後裸にしたふたりの遺体を、賃貸住宅の基礎へ埋め込んだ。
大衆食堂で温泉卵を食べてると、「どういうつもりだ?」と、パナップに尋ねられた。
「アンタらの恐ろしさには参ったよ、忠誠を誓う」
静岡県警の刑事だったアサシンはクーリッシュの後を追って、碧海島に辿り着き、苺とミルクの腐乱死体が地下室にあることを見つけた。浅く埋められた遺体を掘り起こした後、アサシンは苺の足が無くなっていることに気付いた。苺が先天性内反足と判明した後、アサシンは身元の判明を防ぐため、クーリッシュが彼女の足を切り取ったのではないかと推察した。
その後アサシンは、クーリッシュがコテージを借りたキャンプ場に辿り着いた。ここではクーリッシュが、小室夫人を殺す為に用いた薬を地元の薬局で買ったという通報と、放火の前に遺体を刺したナイフを研ぐため修理店に立ち寄っていたという通報が寄せられていた。コテージの煙突下からは、小室夫人の歯とわずかな骨が見つかった。
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