ふたりはそれを恋と呼ぶ

7/9
前へ
/15ページ
次へ
1年近くも巴とそういう関係にならなかったのには彼なりの理由がある。 ・元々そこまで欲求が強くない。 ・彼女はおそらく未経験。無理強いしたくない。 ・いつ彼女に別れを切り出されてもいいよう、深入りしない方がいい。(これが最大の理由) 今まで大体コミュニケーションが足りず、結果相手から「こんな冷たい人だと思わなかった」という言葉と共に別れを告げられてきた自分では役不足かも知れない。 ましてや彼女は6才年下。 もっといい男性に出会える可能性を、自分が奪っていいものだろうか? そんな意識がどこかで働いて、旅行中もそうなる直前までは逡巡していた。(一応男の責任として備えは準備しておいたが) けれど。 「あんまり見ないでもらえませんか?・・・残念な胸なので」 恥じらう彼女を見た瞬間、理性、迷い、その他もろもろ全て、遥か彼方へ吹っ飛んだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加