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―やってしまった。
桜庭巴は頭を抱えてベッドの上でのたうちまわっていた。
(なんであんな事言っちゃったかな!)
忙しいすき間をぬって電話してくれた、6才年上の彼氏に言ってしまったのだ。
「慎一郎さんは、私と仕事どっちが大事なんですか!?」
なんて、口にするまいと戒めていたはずのNGワードを。
いたたまれなくなって電話をきった後も、彼女の中ではぐるぐるぐるぐる後悔の念が渦巻き続けていた。
(健気なカノジョ的にはさ、お仕事頑張ってねって応援するとこでしょうよ。あー、もうほんとなんで・・・!)
たかだか1ヶ月会えなかっただけなのに。
目標だった店長に昇進した彼を、わずらわせるような事はするまいと心に決めたはずなのに。
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