カノジョの後悔

3/3
前へ
/15ページ
次へ
いつも通りの冷静な口調。 けれど次から次へと「職場でこんな事があった」と報告してくる彼。 ああ、仕事が楽しくて仕方ないんだろうな、とほほえましく思いながら話を聞けば良かっただけなのに。 (なんか、こう、どす黒い感情がぶわっと・・・) 恋より仕事優先な人だと、納得して付き合いはじめた。 電話ごしに声を聞けるだけでも、1ヶ月おきに直接会えるだけでも、十分だったはずなのに。 (はー、いつの間にこんな欲張りになってたんだろ) 「ないがしろにされた気がして、寂しい」のだと察してくれ、なんて無理な話なのだ。 自分がきちんと言葉にしていないのだから。 もう23時をまわったけれど、慎一郎に謝って先ほどの発言を取り消そう。 そう思った巴がスマホを手に取った瞬間、彼から本日2度目の電話がかかってきた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加