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いつも通りの冷静な口調。
けれど次から次へと「職場でこんな事があった」と報告してくる彼。
ああ、仕事が楽しくて仕方ないんだろうな、とほほえましく思いながら話を聞けば良かっただけなのに。
(なんか、こう、どす黒い感情がぶわっと・・・)
恋より仕事優先な人だと、納得して付き合いはじめた。
電話ごしに声を聞けるだけでも、1ヶ月おきに直接会えるだけでも、十分だったはずなのに。
(はー、いつの間にこんな欲張りになってたんだろ)
「ないがしろにされた気がして、寂しい」のだと察してくれ、なんて無理な話なのだ。
自分がきちんと言葉にしていないのだから。
もう23時をまわったけれど、慎一郎に謝って先ほどの発言を取り消そう。
そう思った巴がスマホを手に取った瞬間、彼から本日2度目の電話がかかってきた。
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