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―今日は楽しかったな。
巴は慎一郎の横顔を見つめる。
本当はちょっぴり、先日の発言で面倒くさい女だと思われたんじゃないかと不安だったのだけれど、そんな素振りは一切なく、いつも通りの穏やかな彼だったと思う。
「えーっ、月1回しかデートしてないの?寂しくない?」
久しぶりの同窓会、高校時代の部活仲間に慎一郎との事を話したら返ってきた言葉。
確かに、他人から見たら自分たちの付き合い方はちょっと変わっているのかも知れない。
そもそも、交際のきっかけからして「俺と付き合ってもらえないだろうか?・・・半年お試しで」だし。
連絡を取り合うのは週いち、デートは月いち、しかも必ず1ヶ所は他スーパーを調査しに行く。
公衆の面前でイチャイチャするのは苦手なので、デート中もせいぜい手を繋いで歩くくらい。
けれど、二人きりになった時の甘い言葉と行為の数々を、巴はもう知ってしまった。
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