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国の法律により、ハムスターと結婚しました。
日本ではその症状に、恋愛結婚憧憬症候群と名前が付けられた。
主に日本人に起こる、恋愛に理想や妄想や憧れを抱くために起こった一種の白昼夢。
『ブライダルブルーシンドローム』とも言われている。
簡単に言えば恋愛結婚に憧れるために『お見合い相手が、動物や無機物、人外に見える』
2×××年。
日本の人口が5000万人を切ってしまった未来。
国が相性のいい相手とお見合いさせる法律が設立。
人間は唯一、感情で相手を選ぶ動物である。本能だけではなく理性が動く動物である。
16歳になったら第一段階目のお見合いが始まる。
大学には保育所が完備。大学に行きながら子どもを育てた場合、国からお祝い金と補助金も出る。
私のお見合い相手は、ハムスターでした。
小動物に見える場合は、恋愛結婚憧憬症候群は軽症らしい。
人外や無機物に見える場合は重症とか。
「流伽ちゃん、大変。俺、お見合い相手が人魚に見えた」
幼馴染は重症みたい。
「流伽……私の相手は、私がパソコンに見えるらしい」
親友の相手が重症でした。
「俺には流伽が、流伽に見えるよ」
両手を広げたハムスターは、すごくセクシーな声でそう言った。
けれど私には、ハムスターがちょこんと立っているようにしか見えなかった。
それはもしかして起こるかもしれない、遠くない未来の話。
恋愛に憧れる高校生たちの恋愛模様。
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