立崎 流伽の場合。

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 ゆっくりと体育館のドアが開いた。  二面ある体育館の真ん中にネットが張られ、向こう側のコートでバスケ部が練習試合をしていた。 「指名できる人っていうのは、オリンピック候補生またはプロのスポーツ選手、または国から賞を授かったり名誉勲章があるもの、相手との深い縁がある子、などまあ国が許可下りれば指名できるかな」 「えっとつまり私の相手は?」 「貴方の相手は今並べた条件、全てクリアしてるかしら。学生プロレスで活躍して今年プロのプロレス団体に所属されたって言ってたわ」 「は、え!? プロレスラー!?」 「すっごくイケメンなのよ。細マッチョね。児童施設に寄付して政府から表彰されているし、貴方のことをずっと待ってお見合いを受けなかったの」 「待って待って、情報力が多すぎる! バスケ部じゃないの!?」 「いいえ。体育倉庫で筋トレしてるって言ってたわ。体を動かさないと落ち着かないんですって。貴方と会うのに緊張して、1日中走っていたらしいわ」 「ひいい」
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