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「立崎、凛口、篠田、仲人が中で待っているぞ」
会議室から担任の園田先生が顔を出した。
そして続けて保険医でお見合いカウンセラーの佐々木先生も顔を出す。
園田先生もお見合い賛成派で、一回目のお見合いで結婚したと言っていた体育教師。
佐々木先生は指名されたお見合い相手と結婚した白衣の似合う美人。
二人がドアを開けて私たちを促す。
「ひえ。どうしよ。私、一番むり」
「お前―、俺を押すなよ」
「誕生日順なら、流伽が先でしょ。気張ってきなさい」
4月生まれの私を先頭に、一河と水咲も中を覗く。
校長先生と談笑しているのは、政府が管理しているお見合いセンターの白いスーツ姿が特徴の通称『仲人』だ。
どんな人かと思えば、真っ赤な唇が印象的なショートヘアの綺麗な女性だった。
「生徒手帳と個人カード、そして身分証明書の提示をお願いします。先生方、確認をお願いしますね」
私たちは言われた通り、身分証等の確認をされている間、ぼーっと立って待っていた。
が、この部屋にはお相手はいないようだった。
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