二、俺の話を、俺の話を、俺の話を聞けええええい(イエイ

5/67
前へ
/212ページ
次へ
仲人さんが去ったあと、ハムスター姿で軽々とドアを持つと直してくれた。 ドアは無事に直ったけど、彼の筋肉の前では数秒で開けられてしまうらしい。 「鍵は学校に行っている間に直してもらえるみたい。ごめんな、俺のせいで」 「いえ。でも私も夢までは制御できないので、せめて下着ぐらいは履いてください」 「昨日の夜は風呂から出たら、ちゃんとパンツ履いてたんだけどなあ。いっそ水着で風呂はいろっかな」 私に何かあれば、パンツも吐かずに飛び出すと言いたいらしい。 というか、私がハムスターにしか見えないのをいいことに、昨日のお風呂後はパンツ一枚だったんだ。 「あのう、結婚前の男女なのですから下着一枚はやめましょう。私がもし下着姿でリビング歩いてたらどう思います?」 「拝む。そしてタオルを投げる。そして嬉しくて死ぬ」 「真面目に答えてください!」 本人は真面目に考えていたらしい。私の言葉に飛び上がって狼狽えていた。 恋愛漫画みたいに、相手を意識してしまうとか、ドキドキしちゃうとか真っ赤になるとか色々ギャップを見せてもらえるかと思ったのに。 拝むって、何よ。  制服に着替え、軽いカバンを持ってから考える。 昨日は車で送ってもらったけど、今日はどうしよう。フロントに電話すれば送ってもらえそうだけど、学生の分際で贅沢すぎる。  今日は甘えるとしても、明日からはバスで行けるようなコースを教えてもらって……・ そうこう考えているうちに、インターフォンが鳴った。 『花巻さま、お赤飯が炊き上がりましたよ』
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加