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「まず初めに、貴方たちには拒否権があります。貴方たちが、補助金のためや親に脅迫されてお見合いを受けていないか判断するために、腕に測定器を装着させていただきます。こちらは、貴方たちが少しでも心に負担になった場合、ブザーがなります」
渡された真っ赤なブレスレットを手に持つと、毛糸のように軽かった。
素材が何かもわからないまま、腕に装着する。
「ただし、16歳の初めてのお見合いだけは、義務だから。断るのは問題ないけど、お見合い自体をしたくない、という場合は親立会いの下強制的に行います。拒否権があるのは、結婚するかしないか、だけです」
拒否権がある義務ってなんだ。意味が分からない。
義務だからまずは受けろって、結局は強制じゃない。
でも腕に付けた測定器が鳴らないのを見ると、授業で散々お見合いを習ってきたせいで抵抗感がない。
当たり前だと私たちは受け入れている。
「身分証明の確認が取れました。3人とも問題ありませんね」
仲人は私たちの書類と生徒手帳を返すと、優雅に微笑んだ。
いや、緊張している私たちを笑ったように見える。
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