二、俺の話を、俺の話を、俺の話を聞けええええい(イエイ

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結局、一限目は公欠扱いで休んだ私に、一河も水咲も爆笑していた。 お昼休みに三人で進路指導室でお弁当を食べることになり、そこで朝のことを説明したら二人はいまだに笑っている。 お見合い中は、口が滑りそうな場合、進路指導室を避難場所で使っていいらしい。 「でも一慶さん、良い人そうで良かったじゃない」 「そうなんだけど、こう、もっとドキドキするような甘い展開が私は欲しいの」 「ドキドキより、一緒に居て楽しい方がいいんじゃないか?」 一河も笑って全然箸が持てていない。というか、私のお赤飯弁当と違って、可愛いペンギンのお弁当ケースに、お魚の海苔が乗った白ご飯? 「一河は昨日、水族館デートしたの?」 「正解。お弁当箱、お揃いの上に作ってもらっちゃった」 「うそお。あの先輩、綺麗な上に料理もできちゃうの!?」 水咲がお弁当を覗き込んで感心している。 でも私たちは高校で調理師免許も保育士免許も取得するんだからある程度できるのは当たり前だ。ただ、キャラ弁は難しいよね。 「愛が感じられる」 「へへ。まあねえ、うひひ」 「一河が変な笑い方してる!」 いつもおっとりした一河が、真っ赤な顔で笑うのは新鮮だった。 こっちはどうやらうまくいってるようだ。
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