二、俺の話を、俺の話を、俺の話を聞けええええい(イエイ

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あれぐらい綺麗な人なら、恋人ぐらいいるのかもしれない。 16歳になったら、国が決めたお見合いはあるものの恋人がいる人はその人とのお見合い申請もできるとか。 まあ要は、さっさと結婚すればいいんだろうけど。 人口が3000万人をきったせいで、専門的な技術を自分たちで勉強しないといけないことも増えていて、国民一人一人の負担が大きくなってるってテレビで言ってたしね。 どこが負担なのかは、既に負担だらけの中で生まれ育ってきた私らには分からない。 「恋人に1人や二人、いいんじゃないの。私のお見合い相手は、子どもができるなら浮気もどうぞってよ」 「孔一くんが!?」 「そう。私のお腹から生まれるなら、自分の子として育てるしって。だから、誰と浮気しようが恋愛しようが構わないけど、お見合いは進めようねって。おじいさまに呼ばれた宴会場で宣言されちゃった」 「……ゆるせない。いやだ。絶対に嫌だ。そんな人なら結婚しないでよ!」 水咲を何だと思ってるの。パソコンに見えてるって時点で失礼なのに。 なに? なにがしたいの? ちょっとイケメンで家柄もよくて成績もよくて紳士で、人柄もよさそうなのに。 「女の子ひとり、自分で幸せにできない男の遺伝子なんて止めてしまえるのはいいんじゃない?」 「ひえ。あの一河が! あの温厚な一河がそんな言葉をっ」 「いや、俺だって水咲ちゃんは友達でしょ。普通に怒るよ」
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