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「俺、行きたいなー」
「私はパス。下調べしなくていきなり知らないスポーツを見るのは失礼だわ」
「えー……チケット余るなあ。亜里沙先輩、来るかな」
「聞いてみる」
水咲は頑固なので行きたくないと言えば、頑なに意見は変えないだろう。
一河は来てくれるとは思うけど、亜里沙先輩はどうだろう。
デートスポットとしては血で血を洗うようなプロレスは合わないかもしれない。
「だ、大丈夫かな。亜里沙先輩だし、ふわふわした可愛いスポットの方がいいかな」
「大丈夫だよ。意外とホラー映画とかスプラッタ映画も好きって言ってたし」
呑気に携帯でメールをしたためているけど、亜里沙先輩が断れない人だったら大ピンチじゃない。
なんてお赤飯を食べていた私に、もう一つ絶望的な連絡がきた。
『ごめーん。私、一番いい一番前の席だから。関係者席って叫べないからいいや』
森苺先輩にも断られてしまった。
「えー。じゃあ三人でいいかな。一枚返そう」
「亜里沙先輩、その日、ヴァイオリンの稽古だって」
「じゃあ一河と二人か。ストッパーが一河だけかあ」
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