二、俺の話を、俺の話を、俺の話を聞けええええい(イエイ

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なんだか急に寂しくなった。人口を増やさなきゃいけないこの時代で、恋愛できる自由は狭くて、反発するように恋愛結婚憧憬症候群が生まれたなんて。 「なんか、ナーバスになってきたからもう家に帰ろうかな」  変な感じ。  急にハムスターの一慶さんに会いたくなっちゃった。 「お見合い期間中は公欠扱いになっちゃうし、どんどん休んじゃえ」 一河は珍しく窘めるのではなく、背中を押してきてくれたのでお言葉に甘えて早退届を保健室に貰いに行った。 保険の先生は美人だし子どもも二人産んでるし、お見合い結婚。 担任だってそうだし、うちの両親も一河の家も。 じゃあ貴方たちは、お見合い相手を愛してるから結婚したの? 相性がいいと国からのお墨付きだから? それとも莫大な補助金のために、愛はないの? 一人ひとりに聞いてみたいものだ。 きっと何十パーセントかは、補助金目当てや法律だからとか、そんな愛のない選択に違いない。 それが無性にもやもやして、今すぐ一慶さんに会いたくなった。 会って、心を通わせてみたいと、思った。 私はやはり、心から一慶さんを愛せなければ結婚はしたくなかったから。
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