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「まず今日は顔合わせです。直感を信じて。もし少しでも気になったら、次はお見合いセンター内の施設でデートを二回、三回目のデートは施設外も許可します」
「デート……。それって施設内にカメラがあって監視されるってことですか?」
水咲が嫌そうに尋ねるが、仲人さんは真っ赤な唇でにんまり笑う。
「いえ。施設内には映画や水族館、遊園地、図書館となんでもあるので、水族館で会話が続かなかった場合、映画に切り替えたり、遊園地に付き合ったら図書館に付き合ってもらったりと、お互いの趣味を把握しやすいように作られているんです」
「へえ。無料ですか」
「もちろん。お見合いで結婚した方には解放されています」
「ほお。いいねー、一河」
バンバンと肩を叩くと『授業で習ったけどね』とあきれた声で言われた。
「じゃあまずは、立崎流伽さん、貴方を案内するわ。ほかの二人は、先生と保険医の指示に従って」
「ええ、私からですか」
二人は別々の部屋に案内され、立会人だった校長もさっさと職員室へと戻ってしまった。
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