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「一慶さん、お風呂にする? ご飯にする? それとも私と……あれ?」
不安になった私は、インターフォンが鳴ったら不安を蹴飛ばす勢いでお見合いの続きをしようと思っていた。
「あ、いた。なんで廊下に寝そべってるの? ブリッジ?」
「好きな人が自分のエプロンを着ているのを見て、鼻血を垂れ流しながら廊下を転げまわらない人はいない」
「そんな人の方がいないと思いますけど」
それに最後まで言わせてほしかったな。
「で、御飯にする? お風呂にする? それとも私と昨日の漫画の続編を見ます?」
「えー……どれも寿命が100年は縮むぐらい幸せじゃん」
一慶さんは少なくても寿命300年はあるのか。逆にすごいな。
床に転がっていた一慶さんは、生まれたばかりのハムスターのようによたよた起き上がり、仁王立ちになった。
「全部やりたいので、流伽の楽な順番でやっていこう!」
「本当? じゃあ、ごはん、お風呂、漫画にするー」
「あ。まて、宿題が先だ。宿題はやれよ」
意外と真面目な彼は、私が今日もカバンの中身は漫画だけだと知ると真っ青なハムスターになるに違いない。
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