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全力で私を心配してくれる熱いハムスター。
彼がプロレスラーとして人気なのが、分かる気がする。
どんな辛い状況でも、彼なら明るく突破してしまいそうな朗らかさがある。
「そう? もし流伽が嫌じゃないなら俺、一緒のベットで悪夢を退治するけど」
「あはは、それが一番嫌―。婚前前に男女が一緒のベットで寝るとか不潔不潔。さ、手を洗ってくださいねー。コンソメスープが冷めちゃいますよ」
「お、おおう。流石、俺の流伽だぜ。って思うけどなぜか涙が出そうだ」
一慶さんの複雑な気持ちは理解できないのでそっとしとくとして、さっさとご飯を盛りつけよう。見栄えのいいコンソメスープと、おいしそうに見えるカツカレーの盛り付けは検索済みだ。
「流伽―、手を洗ったよー」
「じゃあ座っててください。今日は昨日の残りだから手作りってわけじゃなくて申し訳ないけどー」
「ふ。流伽が触った料理は全て、手作りだよ」
一慶さんはテーブルに寝そべり、頬杖つきながら私がカレーをつぐ姿を眺めている。
だらけきったチーズみたいなハムスターにしか見えないけど、嬉しそうなのは伝わってきた。
「そのエプロン、俺じゃなくて流伽がつけた方が天使」
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