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聞いたから、とは誰だろう。水咲は孔一くんとは最小限の会話しかしたことがないって言っていた。
「誰から聞いたんです?」
「森苺先輩。昨日、うちの父の立食パーティーに家族全員で参加してくれてて、お見合い中の俺を心配して声をかけてくれてね」
「政治家の立食パーティー……」
そんなパーティーに物怖じせずに参加できちゃう家柄なんだ。
孔一くんも小さな頃から政治家の大人と接しているなら、慣れていそう。
「で、それがどうしたの?」
「俺も行ってみたいなあって。だめ?」
「え……えーっと」
水咲のお見合い相手だし断るのは失礼だし断る理由はない。
「人数決まっちゃった?」
「えっとね、来てくれるのは嬉しいし嫌じゃないし、水咲と孔一くんのお見合いに口出したくないから言うけどね」
渋る私の様子に、整った顔で首を傾げる。
ので、私は言いにくかったけど、職員室に行って席を外している水咲を思い、こぶしを握った。
「孔一くんが水咲とのお見合いを、冷めた発言するのが苦手なの」
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