白い少女

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「女性が身に着けるアクセサリーとか古着が多かったよ」 「そっかぁ。私が行った時も同じだったよ。アクセサリーは最低限あれば良いし、服はまだ着れるからしばらくは行かなくて良いね。あっ! 沸いてる!」  由香はうんうんと頷いてからやかんが沸騰していることに気づき、急いでキッチンの方へ駆けていった。そろそろ夕飯だが、今はご飯よりお酒をガバガバ飲みたい気分だ。 「修さん、追加のビールです」 「お、ありがとう。圭一くんも座って飲もうや」 「じゃあお言葉に甘えて。今日は散々でしたね」 「ああ……怖い顔した兄ちゃんに絡まれた時はもう終わりだって思ったな……」  胸ぐらを掴まれて殴られる寸前だったのを思い出す。圭一くんが空き缶を投げて気を引いたおかげで逃げ出せたが、もう二度と関わりたくない。ヨレヨレの服を着ていたからホームレスかと思ったら……とんだ災難だ。 「ある意味、幽霊より生きている人間のほうが怖いですよね……」 「まあ、幽霊も元を正せば人間だったし、最後に行き着くのは『人間怖い』だな」  ただ、幽霊の場合は何をしてくるか予想がつかないし、物理で何とかならない点は人間より厄介だ。 「あっ、ちょっと明日の朝には帰るんでしょ? そんなに酒飲んでると寝れなくなるよ!」  由香が夕飯を作っている間、自分の分だけでもビール缶を五本も空けていた。このペースで飲むのは初めてだ。これではまともに夕飯が食えないだろう。  一方、圭一くんは三本目を飲み終わったところだ。彼もご飯が入らないのは確定だ。由香には悪いけど今日の夕飯は勘弁してほしい。 「もう……まだ餃子しか出来てないけど、二人共夕飯はいらないのね?」 「おー」  圭一くんと声が重なる。疲れているせいか、返事をするのもつらくなってきた。しかしビールはまだまだ飲める。とにかく飲みたい気分なのだ。 「じゃあ今日は何を言っても作らないからね! 何か欲しかったら自分で作ってよ」  由香がキッチンへ戻っていく。自分用の夕飯を作るのだろう。  僕と圭一くんは引き続きビールを腹に収めて、睡魔が襲ってくるまでビール缶を空にする作業に没頭した。
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