白い少女

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「圭一くん、ホームレスっていうのはどの辺にいそうかな? 北海道では見なくてね……札幌に行けばいるかもしれないけど」 「俺もそんなに見ませんよ。うーん……光が入らなくて薄暗い雰囲気の場所かなぁ。でも、今の時間帯だとねぐらを見つけてもいないと思います。ホームレスでも自分のための食事は必要ですからね。外で空き缶とか拾ってるかも。……勝手な想像ですけど」 「そんなもんなのか。じゃあ、公園の方に行ってみるか」 「近くに大きな公園があります。そこに行きましょう。ついでにベンチに座りたいです」  圭一くんは相当疲れているようだ。同じくらい体力を使っているはずなのに、僕は疲れを感じていない。モチベーションの違いだろうか。まあ、圭一くんは命の危険を感じていないから、僕ほど必死になる理由がない。  そういえば家にいる霊は今、この時も成長を続けているのだろうか。急成長して包丁を握られたらどうしよう。ううん、悪い想像はしないでおくか。今は早く解決することだけを考えよう。まずは公園での聞き込みだ。 「ガラガラ? 知らんなぁ」 「おれぁ赤ちゃんだって言いてぇのか!」 「持ってたやつは見たことない」 「落とし物を拾ったとかじゃ?」 「あ? てめぇどこのモンだぁ?」  気合を入れてホームレスっぽい人に声をかけまくったが、有益な情報は何一つ得られなかった。それどころか、酔っ払いや強面の人に絡まれて謝罪するはめにもなった。  その後、小さい公園でも聞き込みをしたが結果は変わらず。日が暮れ始めた頃に、圭一くんが「そろそろ夕飯です」と言ったので、仕方なく帰ることにした。 「で、どうだった? 目ぼしい物あった?」  神崎家に帰ると、由香がフリーマーケットの感想を求めてきた。
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