十字架のペンダント

1/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ

十字架のペンダント

授業が終わると、ハルミの周りには女の子が5人ほど集まっていた。その中には花子もいた。 「これから、裏山に行くよ。不思議な事が起こるんだから。」ハルミが言うと5人はハルミに付いて行った。裏山に行くと「これを見て。」とハルミはスカートのポケットから赤、青、紫に光る石が埋め込まれている十字架のペンダントを出した。「学校に、こういうのは持ってこられないんだよ。」と花子が言うと「しっ、黙ってて。」とハルミが言って、その十字架を胸に当て目をつむった。その様子を、他の子たちはジッと見ていた。しばらくすると、そのペンダントを空に向けて「ほら、キラキラ光るでしょ。光っている間に何か、お願いして。きっと、叶うから。」とハルミは得意げに言った。 5人は、それぞれ目をつむって願いを唱えた。花子は言うがままに 「今日、家でケーキを食べられますように。」と願った。そういうのしか浮かばなかった。それに、ケーキなんてクリスマス以外、花子の家では食べない。「当たるもんか。」そう思って家に帰った。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!