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和真くんがアメリカに行って、わたしは、ただ、大学には勉強に行く…。
でも、ただ、それだけ。
中高一貫校時代、常に、和真くんがわたしの側にいたから、わたしから友達を作ったりはしなかった。
小説やドラマを見て、友達の作り方は感覚ではわかる…。
でも、実際にはできなかった。
話しかけてくれても、緊張して、キョドッてしまって、だから、わたしの人を寄せ付けないオーラを感じて、必要以上は誰も関わって来なくなった。
それが、楽だった。
大学で勉強する時以外は誰かと時間を共にしないですむ。
小説執筆や曲作りに専念できた。
わたしがメジャーデビューしても、メディアの前に姿を晒さないのは、それによって、人が寄ってきて、今の1人でのんびりしているひとときが奪われるのが嫌だから。
元々1人でいる時間が好きだった。
なのに、和真くんは、自然とわたしの側にいて、側にいないと悲しくて寂しくてつらい人になった。
離れて、もうすぐ4年になる。
でも、いまだに、和真くんが恋しくて、和真くんの温もりを求めてる、わたし。
和真くんは社交的で格好良くて賢い。
もしかしたら、わたしの事なんて忘れて、他の人と深い交際をしてるかもしれない。
わたしが、和真くんの苗字を選んで【古跡美羽】と芸名を名乗ってるのと同じで、芸名【加瀬和馬】にした。
だから、気持ちは通じ合ってるよね。
わたしは、そう信じる事で、なんとか、自分を保ってた。
和真くんに、逢いたい。
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