アメリカから伝わる彼の活躍 ~美優2~

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和真くんは、全米でも1位になり、日本でも新曲をリリースしたら、わたしの10倍以上の売り上げを出し、もちろん動画サイトの再生回数は過去最高を更新していった。 語学力堪能の和真くんは、日本語と英語だけでなく、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語でも曲をリリースした。 慣れない言語でも歌唱力は最高レベルで、わたしは和真くんのスゴさを目の当たりにし、和真くんはわたしにはもったいない人だと改めて思った。 彼の格好良さと歌唱力だけでなく、自作の楽曲プログラムの音響とテクノロジーを駆使したMVに、世界中の人々が魅了された。 そんな、和真くんの活躍を知り、住んでいる距離以上に、わたしと和真くんでは能力的にかけ離れ過ぎて、もう和真くんがわたしの元には帰って来ないと思って落ち込むわたしがいた。 わたしも細々とは活動をしてる。 新曲はそれなりにヒットし、活字離れして本の売り上げが落ちてる現在でも、わたしの小説は100万部突破と大ヒットした。 そして、東映アニメーションや実写映画に小説を使って貰い、挿入歌として曲を使って貰って貰えることになった。 主題歌は、わたしの歌唱力では弱いから、有名なアーティストさんに依頼される事が決まった。 わたしは、小説家。 アーティストとしてメディアの前に出ないし、ライブをしないところか、歌番組にもでない。 だから、曲に関しては、人の目に出て、小説を手にとるきっかけにさえなればいい。 和真くんの曲との違いは、そこにある。 和真くんの夢、いつもはぐらせてたから、何かはわからなかった。 アーティストなのか、テクノロジストなのか、はたまた、別の職業なのか…。 和真くんも、今、頑張ってる。 それだけはわかる。 和真くんに再会する日が来る事を、わたしは心底願った。
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