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「和真くん、飲みすぎじゃない?大丈夫?」
中高一貫校を卒業した年の夏以降の和真くんを、わたしは知らない。
背が少し伸び、身体も、少しがっしりした気がする。
あの頃はまだ、少年らしい細さがあった。
今の和真くんは、キートンのブラックスーツをカッコよく着こなし、表情も少年らしさよりも精錬とした知的な印象がした。
でも、お酒を飲んで飲まれてる姿に、少し驚いた。
中高一貫校時代の和真くんはいつもわたしの前で、こんなだらしなさを見せた事がなかった。
「美優は、1か月日本に滞在する事にしたから、その間、一緒にいていいか?」
意識が朦朧としてる和真くんに頷く。
和真くんは、手慣れた感じでiPhoneで銀座周辺のホテルを検索し、予約を入れた。
和真くんに手を引かれ、近くの帝国ホテルへ入る。
一応、芸能人だから、変装とかしないとまずいのではと思いつつも、一緒にフロントでスイートルームの鍵を貰い、部屋へ向かった。
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